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vol007  008  可愛いけど愚かな女に・・・HEADLINE

可愛いけど愚かな女に・・・

いくつかの小さな恋を繰り返していく内に、女は器用な恋の上級者になると言う。
さて、ここに恋愛マニュアル本を何冊も読破し、自称『恋愛の達人』と信じ込んでいる女がいる。
彼女の名前は、有坂未由。
一流企業に務める傍ら、夜はアルバイトで週3日クラブ勤めをしている 。

さて、そんな未由にも現在、同棲中の彼がおり、未由はその彼氏に夢中だった。
恋愛マニュアル本で覚えた『男は、料理上手で床上手な女の元に必ず戻るもの』と言う言葉を頑なに信じ、アルバイトの無い日は料理教室に通い、又 夜はこっそりとアダルトビデオを鑑賞し、彼女の中では、 料理本とアダルトビデオは、二大バイブルとなっていたのだ。

そんなある日の出来事だった。

いつも通り彼の為に手料理を振る舞う彼女と、料理の匂いに鼻孔をくすぐりながら、満足そうに新聞を読む彼氏……。
さながら新婚の甘い暮らしのような風景に、未由自身もこれ以上の幸福の場面に、口角をキュッと上げ、幸福の絶頂感に酔いしれていた。

そう……あのチャイムが鳴るまでは……。
楽しげな幸福のリズムに割入るように、ドアの向こうからチャイムが鳴る。
初めは軽く、二度目には、まるで急がすように…。
そんなチャイムに新聞を読んでいた男が余裕に満ちた顔で囁く。
「多分新聞の集金だろ?代わりに出てよ?」
未由はこれまた新婚ごっこの延長だと、彼女の脳内恋愛サーチがブルーランプを照らすものだから、いそいそと財布を持ち玄関のノブに手をかけたのだ…。
それはブルーランプでも無く、明らかに怒涛を誘うレッドランプだったのだ。

「は〜いどちら?」とガチャリとドアを開ける向こうには、明らかに『目当て』の男性にめがけて100%作られたのであろう、最高の微笑がそこにあった。
未由は、ニコニコと微笑むその彼女を呆然と見つめた。
最高の笑顔を提供したその女は、天女の笑みから転じて鬼神の睨みを未由に向ける。
ピクンと恐怖にたじろくも時は待たず、その女は震える手を持っていたタッパーウェアの蓋に手をかけながら、
甲高い声と共に感情を露わにしながら、すべてをドアの前に立っていた未由にぶつけたのだ。
「あんたの為に作ってきたんじゃないわよ!」…と。
時として人はあらぬ事に接した時に【目の前が真っ暗になった…】と言うが、
その時の未由には【目の前がまっ黄色になった…】との表現が正しいのであろう。
彼女は頭から、ドアの向こうの女からぶちまけられた、タッパーウェアの中のカレーが、見事に未由めがけヒットしていたのだから。

目を見開いた時には、頭の上からタラタラとカレーのルーとその具材が流れだし、真っ白のエプロンに身を纏っていた彼女は見事に黄色く染められた。女はそんな未由の姿を確認すると、罵倒の台詞を言い残し、ドアを激しく閉めた。

『恋愛マニュアルその1:先に吠えた方が負け犬である……』

未由は恋愛マニュアルを思いだし、口を真一文字に結びながらカレーで汚れた体をタオルで拭きながら、その哀れな姿を一部始終を見ているであろう、真後ろにいる筈の彼氏に助けを求めた。

「………??博史さん。」
振り向いた目線の先には、さっきまで新聞を読んでいたはずの博史はどこかに身を隠したのだろう、リビングは蛻の殻になっていた。

しばらくすると、寝室からひょっこり顔を出し、すまなさそうな顔をする博史と沈黙の会話が続いた。
未由は元々争い事を極端に嫌う平和主義だったので、心のどこかで爆発したい気持ちを押さえそのまま風呂場へと向かった。

『恋愛マニュアルその2:許すのも愛』

未由はシャワーを流しながら一人泣きだし…行き場の無い気持ちを風呂場のタイルにぶつけた。
「なんで怒れないのだろう…アタシ…。」怒りをぶつけて相手との関係を壊したくなかった気持ちと、怒れない自分に腹立たしさと後悔が渦巻く。
こんな時、遊び人の男は優しい。
シャワーで泣き声をかき消している未由の身を知っていてか、未由の背後からその身をそっと抱きしめてきた。
ビクンと反応する未由に、
「いやな思いをさせてゴメンな…もう泣かせないから…。」
甘く低い声で耳元で囁きながら、未由の耳や首に何度も唇を這わせると、未由はコクンと小さく頷いた。
『怒るのも愛』
と言うことを忘れ去り、相手の言うがままに体を向き合い、バスルームで何度も何度も性を貪った。
未由は博史のセックスに溺れていたので、風呂場から寝室に抱きかかえられ再び体を重ねる頃には、未由の脳内恋愛シグナルは『この人から愛されている』と錯覚させられていたのだ。愚かなこの女が間違いに気付くのは、これからまだまだ先のこと。

愛すべき愚かな女の困難な獣道はまだまだ続く。

END

可愛いけど愚かな女に・・・2

自分を愛してくれている時の囁き声が好き…
その指も厚い胸板も、全部私の物…

自称『恋愛の達人』と豪語している、有坂未由(一流企業OL、21才)は同棲中の彼、博史とベッドの中にいた。
「私達、絶対体の相性いいよね…もう何回もイッちゃった…。」
「未由が感度がいいからだよ…俺も未由にイカされまくったよ。」
未由はその言葉に満足していた。
何故なら彼女は『いい女は料理上手で床上手』が恋愛ポリシーだったからだ。
「何嬉しそうにしてるんだよ…今日バイトの日だろ…早くシャワー浴びて用意しないと遅刻するぞ。」
「あ…うん…わかった…シャワー浴びなきゃ…。」
バスローブを羽織ったままシャワールームに行き、鏡の前で自分の裸身を見つめる。
乳房に幾つも付けられたキスマーク、其れを指でなぞりながら満足げに微笑む。
未由はキスマークの事を『愛の刻印』と呼び、その刻印の数が多ければ多いほど深く愛されていると信じていた。
「今日も愛の刻印いっぱいつけられちゃった…。」
シャワーを浴びている間も乳房に付けたられた刻印を愛しそうに見つめていた。

神様は悪戯好きだ…至福の時はそうそう長くは続かないものである。

シャワーを浴び終えた未由は、鼻歌まじりに身体にローションを塗りながら、並べられている化粧品を見つめた。
「あれ?これなんだろう…。」
未由と博史が使用する化粧品の他に普段見たこともない化粧水がそこにあった。
「この化粧水私のじゃ無い…え?この乳液も…。」
未由はどん底に叩きつけられた上、心臓をえぐり取られる心境だった。
「まさか…浮気?違うよね…カレー女とは別れたって言ってたし…。」
未由は先日の事件を思いだしながら、脳内シグナルを必死で切り替えた。
「最近は男性も化粧水とか使う時代だし…あんまり疑っちゃダメよね…。」

『恋愛マニュアルその3:相手を信じ抜く事が本当の愛』

未由は少しでも博史を疑った事を後悔しつつ…化粧水を鏡の前に戻す。
だが神様はそんなには甘くは無い。
なぜなら、次に未由の目に飛び込んで来たのは、ファンデーションと真っ赤な口紅だったからだ。
「………メーク用品なんか普通男性は使わないよね…。」

「ねえ!このファンデーションと口紅、私のじゃない!!」
未由はシャワールームから、ひょこっと顔を出しリビングにいる博史にファンデーションと口紅を見せると、なんと博史は顔を硬直させながら、とんでもないセリフを吐き出したではないか。
「あ!それ…俺の!」
博史の苦し紛れに出た言葉に未由は愕然としながら、言い返す言葉もなく、立ちすくんだまま博史を見つめた。

博史は慌てシャワールームに来るとファンデーションと口紅を持ち
「いや、会社で宴会があって、女装する羽目になったんだ。化粧品捨てて来たら良かったんだけど。未由に説明もしないでゴメンな…これ本当に俺のだから信じてね。」
『浮気がばれた男の言い訳は、普段より饒舌である』
早口で言い訳をする博史に肩を抱かれながら
『サラリーマンって大変なんだ…。』
と、やはり遊び人な彼を一途に信じ込む、有坂未由の恋愛獣道はまだまだ続くのだった。

END
 

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