まだまだコロナ禍の影響は否めない昨今ですが、7月22日(金)に中之島美術館にて開催されました、『岡本太郎展』の内覧会にご招待して頂き、オーナーママと一緒に、私 あい が参加してまいりました。

 

ミニチュア版太陽の塔の前にて
右オーナーママ、左あい

岡本太郎さんと言えば、『芸術は爆発だ』という名言で有名です。また、大阪のシンボルの一つである「太陽の塔」や奇抜な配色の絵画、奇妙な形のオブジェを連想する方が多いのではないでしょうか。
ですが、彼を単なる「奇抜な画家」と称してしまうのは大きな間違いです。岡本太郎さんの作品は芸術の枠を超え、私たちに生きる意味を問いかけている画家だと感じました。

 

展示室に入り出迎えてくれる大きな太陽
オーナーママ

岡本太郎さんは、太陽を過去・現在・未来を貫く万物のエネルギーの象徴だと考えていました。『太陽の塔』をはじめ、多くの作品の題材となっています。

 

明日の神話
『太陽の塔』と同時期に制作され、『塔た対をなす』といわれるこの作品は、岡本太郎さんの最高傑作の一つです。

描かれているのは原爆が炸裂する悲劇の瞬間です。しかし、この作品は単なる被害者の絵ではありません。人は残酷な惨劇さえも誇らかに乗り越えることができる、そしてその先にこそ『明日の神話』が生まれるのだ、という岡本太郎さんの強いメッセージが込められています。

 

★ 森の掟
荒れ狂う真っ赤な怪物と森の弱々しい生き物たちで構成されています。岡本太郎さんが独自に提唱してきた、対立する2つの要素を画面に共存させるという対極主義を表現しているそうです。
あい

『愛』と『顔』(左)
手前のクネクネと曲がっている作品は『愛』と呼ばれる彫刻作品。奥に見えるのは見た通りのまま『顔』と呼ばれる彫刻作品で、表側と裏側で表情が違います。
座ることを拒否する椅子(右)

岡本太郎さんは、居心地の良い椅子は、人の前進を止めてしまうと考えたそうです。『椅子とは、活動的な歩みの中で、一時的に腰をおろすだけのもの。つまり人生の戦いの武器である。』とおっしゃっています。
 凹凸のあるゴツゴツとした質感をもち、座る人を睨みつけてくるユーモラスな椅子は、『精神的にも、肉体的にも人間と対立し、抵抗を感じさせる』というコンセプトが形になったものだそうです。

 

岡本太郎さんの模型の前にて
オーナーママ

東京都府中市の多磨霊園にある、岡本太郎の墓に設置されている「午後の日」という彫刻作品。
無垢な笑みを浮かべた子供のようでもあり、タイトルの通り、先の人生の希望に満ちたような表情をしています。けれど、どこか言い知れない不安も感じられる作品です。こちらは、岡本太郎さんの死後に一周忌となる1997年に墓碑として建てられました。
『明日の神話』の前にて
あい

岡本太郎さんの作品はとてもエネルギッシュで力強さがあり、しかし、どこか不気味で、何か得体の知らない不安を伝えてくるようでした。
主に、戦争などを題材にしている作品が多くあったのですが、戦前・戦中・戦後を生き抜いてきた方ということもあり、強いメッセージ性や彼の生き方の哲学が、そのまま作品に現れていると感じました
文頭でも紹介した、『芸術は爆発だ』という名言がありますが、岡本太郎さんにとって、全力を尽くして一生懸命生きてきた、その全てをかけて作品作りを行ってきたからこそ、あのような言葉が出てくるのではないかと思いました。
信念と力強い意志を感じられる作品が多く、そのような生き方をしている方はとても美しいですね。一通り見終えると、すっかり岡本太郎さんのことも、作品も大好きになっていました。

 

一般公開は7月23日から10月2日までとなっておりますので、ぜひ皆さんもお立ち寄りください。長文になりましたが、最後まで読んで下さりありがとうございました!

 

クラブ山咲 あい